「clas」(cell for liberal arts & sciences/クラス)は、名古屋大学の授業および学生・教職員・OBOGらの教育と研究、社会的活動にかかわる展示・プレゼンテーション・セミナー・ミーティング等の空間として使用し,大学における視覚を通した複眼的な思考と総合的な知識を育成し、ひろく地域の文化の向上に資することを目的としています。
私たちが何気なく目にしている街や風景を、普段立ち止まって見たり、自分や他人の視点について考えたことはありますか?
そんな投げかけを、名古屋大学のキャンパスを舞台にビュートレスを行ないました。見慣れた学内の風景を見直し、なぞることで、得られる発見を体感する展覧会です。「clas」から外に出て,キャンパスの風景をトレースし,紙に転写する「モバイル・ビュートレス」を行いました。
キャンパス内の気になる風景をトレースし、紙に転写する。風景は一カ所でも数カ所でも、重ねて描く事が出来る。実際に見てなぞった風景から抽象的な風景画が出来上がります。
モバイルビュートレスとは、ビュートレスを発展させ、好きな風景の前にいってなぞることができ、持ち運びができるものです。透明の板にいろんな場所の風景を重ねて描いて行きます。
なぞられた風景は紙に転写します。実際に見た風景が紙にうつされることで、抽象的な絵画が出来上がります。
転写したビュートレス
くうちゅう美術館とは「都市型コミュニティ“つながり(関係性)”」をテーマに名古屋を中心に活動する、アーティストやクリエイティブな活動団体とともに、名古屋のシンボルであるテレビ塔を舞台にした展覧会。
≪遠足プロジェクト≫とは、カナダ(トロント市)在住のアーティスト武谷大介氏と宮城県女川町在住の美術教師・梶原千恵氏が中心になって2012年3月より進行しているアートプロジェクト。総勢70人による本展は、日本人作家35人とカナダ作家35人が、中古ランドセルを活用し、それぞれがオリジナル作品を制作していいます。
作品に活用された中古ランドセルは、支援物資として送付されながらも使用されずに廃棄処分となる運命にあったものをカナダへ送付することから始まりました。その後、アート作品に生まれ変わり再度被災地へと送られ、アートによる復興支援として公開されました。現在では、本事業が各地の「まち」へと遠足(巡回)することで、被災地の現状を伝えながら復興のアイディアを考えてもらうきっかけ作りをしています。
《遠足プロジェクト》の今回会場となるテレビ塔を舞台に、ランドセルを背負って地域住民や関係者を巻き込む形で<街歩き>をするイベントと同時にモバイルビュートレスを開催しました。2013年夏に被災地である女川に滞在制作したこととがきっかけとなり、アート・ランドセルによるTV塔探検!ビュートレスを開催することになりました。テレビ塔から見る地元の風景をランドセルを背負ってトレースしていきました。
テレビ塔を階段でてっぺんまで、のぼりながらビュートレスをしました。
なぞった風景はその場で紙に転写して行きました。
モバイルビュートレス
女川アートシーズンという宮城県女川町で行なわれたアートイベントに参加しました。ワークショップの会場となった運動場に設置された仮設住宅は、使用出来る大きな窓ガラスがないという環境から、持ち運びが出来るビュートレス「モバイルビュートレス」を発案しました。津波で流されてきた木材とアクリル板を材料に、石巻工房で制作してもらいました。
町は、復興に向けて、新しい町づくりをしていて、今私が見ている風景は、今この時しか見ることのできない風景なので「モバイルビュートレス」を持って、その時の女川の町の風景をなぞってまわり、記憶していきました。